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お客様の声の掲載許諾はどう取る?同意文テンプレート付き完全ガイド【2026年版】

許諾・法律 公開: 2026年7月4日 更新: 2026年7月4日 約9分 筆者: 野原 琉海(Shinrai開発者)

お客様から嬉しい感想をもらった。サイトに載せたい。——でもその前に、掲載の許可はどう取ればいいのか? 口頭のOKで足りるのか? この記事は、その疑問に実務レベルで答えるガイドです。

私は業務効率化に特化したエンジニアとして、お客様の声を管理するサービス「Shinrai」を開発・運営しています。開発の過程で景品表示法・ステマ規制まわりの一次情報を読み込み、掲載許諾の仕組みをプロダクトとして設計しました。この記事では、その知見をサービスを使わない人でもそのまま実践できる形でまとめます。

なぜ「掲載許諾」が必要なのか

理由は3つあります。

1つ目は法規制です。 2023年10月から、いわゆる「ステマ規制」(景品表示法の指定告示)が施行されました。事業者が関与した表示であることを隠して口コミを掲載すると、規制の対象になり得ます。措置命令を受けると事業者名が公表されます。ステマ規制で「お客様の声」の扱い自体がどう変わったかは、ステマ規制で口コミ・お客様の声はどう変わった?チェックリスト付き【2026年版】で実際の措置命令事例とあわせて解説しています。

2つ目はプライバシーと著作権です。 お客様が書いた感想の著作権は、原則としてお客様にあります。氏名や顔写真を載せるなら、肖像権・プライバシーへの配慮も必要です。「アンケートに書いてくれた=サイトに載せてよい」にはなりません。

3つ目が実は一番大きくて、信頼の演出ではなく実体をつくるためです。 消費者庁の調査などでも、口コミを参考に購買を決める消費者は多数派です。だからこそ「この声は本物か?」への感度も年々上がっています。「掲載許諾を取り、原文を保存している」と言い切れる状態は、それ自体が競合との差になります。

口頭のOKだけでは足りない理由

「載せていい?」「いいですよ」——この口頭のやり取り、取った側の記憶にしか残りません

実務で起きがちなのは次のパターンです。

つまり必要なのは「OKをもらうこと」ではなく、「いつ・誰に・何の掲載を・どの範囲で許可してもらったかの記録」です。ここが本記事の核心です。

そのまま使える同意文テンプレート

以下をコピーして使ってください。アンケート用紙の末尾、Webフォームのチェックボックス、どちらでも機能します。

【ご感想の掲載について】

ご記入いただいたご感想を、当店(当社)のウェブサイト・SNS・
販促物に掲載させていただく場合があります。

・掲載時のお名前の表記:( フルネーム / 姓のみ / イニシャル / 匿名 )
・内容は、誤字の修正など趣旨を変えない範囲で編集する場合があります
・掲載への同意は、いつでも取り消すことができます。
 取り消しのご連絡をいただいた場合、すみやかに削除します

□ 上記に同意して、感想の掲載を許可します

同意日:   年  月  日
お名前:

このテンプレートのポイントは4つです。

要素 なぜ必要か
掲載先の明示(サイト・SNS・販促物) 「サイトだけだと思っていた」のズレを防ぐ
名前の表記方法の選択 匿名希望のお客様の声も掲載可能になり、回収率が上がる
編集の可能性の明記 誤字修正すら無断ではトラブルの種になり得る
撤回できることの明記 個人情報保護の観点で誠実。むしろ同意率が上がる

取り方の実務3パターン

パターン1: アンケート・フォームに組み込む(新規の声向け)

これから集める声には、収集の時点で同意チェックを組み込むのが一番確実です。紙のアンケートなら上のテンプレートをそのまま。Webフォームなら同意チェックボックスを必須にします。

同意欄を付けると回答率が下がると心配されがちですが、私の経験では「匿名でも掲載OK」の選択肢を用意すれば、掲載可否の回答はほとんど負担になりません。むしろ「ちゃんとしたお店だ」という印象が残ります。

パターン2: LINE・メールで後から依頼する(すでにもらった声向け)

過去にもらった感謝のメッセージを載せたい場合は、個別に許可を取ります。そのまま使える文例です。

〇〇様

先日は嬉しいご感想をありがとうございました。
いただいたお言葉を、ぜひ当店のホームページで
ご紹介させていただけないでしょうか。

・掲載内容:「(引用する本文)」
・お名前は「〇〇様」と表記します(イニシャル・匿名も選べます)
・掲載後でも、ご連絡いただければすぐに取り下げます

ご都合の悪い点があれば、遠慮なくお知らせください。

重要なのは、引用する本文をそのまま見せることです。「感想を載せていい?」ではなく「この文章をこう載せていい?」と聞く。範囲の認識ズレがなくなり、返信そのものが同意の記録になります。

パターン3: 掲載許諾専用のリンクを送る

依頼の数が増えてきたら、許諾依頼〜同意の記録までを仕組み化する段階です。お客様がリンクを開いて内容を確認し、ワンタップで同意——という流れにすると、同意の日時が自動で記録され、後述の「台帳」が勝手に育ちます。ShinraiのようなツールでもGoogleフォームの自作でも実現できます。

記録の残し方 — 「許諾台帳」を作る

許可を取ったら、最低限これだけは記録してください。スプレッドシートで十分です。

記録する項目
お客様のお名前 田中 宏 様
声の原文 (編集前のテキストをそのまま)
出どころ 2026/06/20 LINEのメッセージ
同意の取得日と方法 2026/06/22 LINEで「掲載OKです」と返信あり
表記の条件 姓のみ・肩書きあり
掲載場所 トップページ、Instagram

とくに大事なのが原文の保存です。誤字修正や要約をして掲載する場合、「元は何と言っていたか」を残しておけば、編集が趣旨を変えていないことをいつでも示せます。逆にここが残っていないと、「そんなこと言っていない」への反証手段がありません。

掲載を取り下げたいと言われたら — 撤回対応の実務

同意の撤回は必ず起きます。私がShinraiを設計したとき、撤回対応を最初から機能に組み込んだのは、「起きるかもしれない例外」ではなく「いつか必ず来る通常業務」だと考えたからです。慌てないために、手順を先に決めておきましょう。

  1. お礼と確認: 連絡をくれたことにお礼を伝え、対象の声を特定する(台帳があれば1分で終わります)
  2. 削除の実行: サイト・SNS・印刷物の入稿データなど、台帳の「掲載場所」に記録した全箇所から下げる
  3. 完了報告: 「本日、すべての掲載を取り下げました」と日付つきで返信する
  4. 台帳の更新: 削除ではなく「撤回済み」と記録を残す(後から「まだ載っている」と言われたときの証跡になる)

ポイントは、撤回されたこと自体を記録に残すことです。声の記録を丸ごと消してしまうと、対応した事実まで消えます。台帳は「載せてよいものの一覧」ではなく「声にまつわる約束の履歴」だと捉えると、運用がぶれません。

また実際にあるのが「全部やめてほしいわけではなく、名前だけ伏せてほしい」というケースです。撤回の連絡が来たら、選択肢として「匿名に切り替えて掲載を続ける」も提示すると、お客様との関係も掲載数も守れることが多いです。

業種別の注意点

私はShinraiの開発を通じて、写真館・コーチング・講座運営・サロン・士業など、さまざまな小規模事業者の掲載事情を調べてきました。業種によって、テンプレートに一行足すべき項目が変わります。

業種 追加で確認すべきこと
写真館・美容室 写真の掲載可否は感想と別に取る(文章OK・写真NGは多い)
コーチ・カウンセラー 相談内容に触れる感想は、内容の要約度合いを本人に確認
講座・スクール 受講前後の変化を書く場合、成果の個人差が伝わる表現に
士業・医療系 広告規制(誇大広告の禁止等)が業法側にもあるため、表現は業界団体のガイドラインを優先
BtoB 個人の同意に加えて所属企業の広報確認が必要な場合がある

とくにBtoBは要注意です。ご本人が快諾しても、社名・ロゴを出すには先方の広報ルールが絡むことがあります。「御社名の掲載について、社内のご確認は必要ですか?」と一言添えるだけで、掲載後のトラブルをほぼ防げます。

よくある質問

Q. Googleの口コミを自社サイトに転載するのは? Googleマップ上の口コミは投稿者とプラットフォームに権利・規約が絡みます。スクリーンショットの無断転載は避け、投稿者本人に転載の許可を取るのが安全です。その場合も出典(Google口コミ由来であること)を明記しましょう。詳しくはGoogle口コミをサイトに載せる方法3選|手順と注意点【2026年版】で、公式ルート・本人許可・自社収集の3つの方法を比較して解説しています。

Q. 昔もらった声で、もう連絡が取れないお客様のものは? 連絡が取れない=同意が取れない、なので原則掲載しないのが安全です。どうしても使いたい場合は、個人が特定されない形(匿名化・属性のみ)への加工を検討してください。

Q. 同意書は紙で保管しないとダメ? 形式に決まりはありません。LINEの返信のスクリーンショット、メールの原文、フォームの送信記録——「いつ・誰が・何に同意したか」が後から確認できれば、デジタルの記録で十分です。

Q. AIで感想を読みやすく整えてから載せてもいい? 「誤字修正など趣旨を変えない範囲で編集する場合があります」への同意があれば、整形自体は可能です。ただし2つ条件を付けてください。原文を必ず保存することと、盛らないことです。私はShinraiにAI整形機能を実装しましたが、整形後も原文を必ず残し、「整形済み・原文あり」と分かる形で管理する設計にしました。整えた文章だけが残ると、「本人がそう言ったのか」を誰も証明できなくなるからです。

Q. 星の評価(★4.2など)だけを載せるのにも許諾が要る? 個別の感想文と違い、集計値そのものは個人の表現ではありません。ただし集計の元になった声の集め方が公正であること(都合の悪い評価を除外していないこと)は、ステマ規制の観点で説明できるようにしておくべきです。

Q. 掲載許諾の取得率はどのくらい? 私の経験では、サービスに満足しているお客様に個別で丁寧に依頼した場合、掲載を断られることはかなり少ないです。とくに「匿名でもOK」「いつでも取り下げられる」を先に伝えると、心理的なハードルが大きく下がります。断られたときは理由を聞かず、お礼だけ伝えて引くのがマナーです。

まとめ — 許諾は「守り」ではなく「攻め」

掲載許諾の実務は、突き詰めると次の3行です。

  1. これから集める声は、収集時に同意チェックを組み込む
  2. すでにある声は、引用文を見せて個別に許可を取る
  3. すべての声について、原文・出どころ・同意の記録を台帳に残す

面倒に見えますが、この台帳がある店とない店の差は、時間が経つほど開きます。「うちのお客様の声は、全件許諾済みです」と言い切れることは、ステマが疑われる時代の、最も静かで強い宣伝文句です。

番頭より

この記事の内容 — 声の収集フォーム、掲載許諾の記録、原文の保存、サイトへの表示 — は、Shinraiがひとつの台帳としてお引き受けします。無料で始められます。

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